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Vol.40

■「シリーズ地震E/瓦のメリット、デメリット」

瓦の特徴は大きくいって、断熱性、遮音性、耐久性、防火性などがあげられます。それらは、四季折々に変化する日本の気候に、なくてはならない機能でもあります。

夏涼しく、冬暖かい瓦屋根の快適性

外気に直接さらされる瓦屋根の施工は、屋根面に直に葺くのではなく桟木と呼ばれる、レールの上に葺いていきます。これは、瓦の固定と同時に、屋根面との間に空気層を作る役目があります。この空気層は屋根裏の適度な換気を行いながら、夏場、高温になった瓦の熱が、屋根面から直接建物内部にまで伝わるのを防ぎます。また、冬場の外気にさらされて、屋根材が冷えても空気層があるため、室内に冷気を伝えにくく、室内の暖気も外へ逃がしにくいのです。このように瓦屋根は、住まいを「夏涼しく、冬暖かい」快適な環境に一年を通して保ってくれます。

 

 

地震に強い瓦屋根へ

しかし、優れた性能を持つ瓦屋根も、阪神淡路大震災後、「地震に弱い」とされました。その背景には、西日本の瓦屋根が「土葺工法」と呼ばれる伝統的な施工法を最近まで採用していたことがあります。土葺工法とは、屋根の野地に接着力のある土を盛り、置いていくといくもので、瓦を固定する力は土の接着力だけです。30年程度でその固定する力もなくなり、台風がくれば風に飛ばされ、地震がくれば文字どおり瓦解(がかい※)してしまいます。親方から弟子へと脈々と受け継がれた伝統工法でしたが、阪神大震災では大きな被害を出す結果となってしまいました。

一方地震が頻繁におこる関東地方では、地震に強い家づくりは常に課題であり、関東大震災(一九ニ三年)以降、いち早く土葺きから脱却し、瓦一枚一枚を桟木に引っ掛けて固定する引っ掛け桟工法に移行していきました。現在では、(社)全日本瓦工事業連盟やメーカー団体等で、ガイドラインを発行し、西日本でも引っ掛け桟工法が主流となっています。


地震、台風に弱いとわれる瓦の弱点を克服するために、釘やフックによる支持で固定力は破格にアップしました。かつては「ただ置いてあるだけ」だった瓦が、がっしりと固定されるようになったのですから、ずいぶんと手間がかかるようになったのは事実ですが、瓦屋根は21世紀に入ってようやく最終型に近づいてきたといえるでしょう。
※瓦解…組織や秩序あるものがばらばらに崩れてだめになってしまうこと。